梅毒の治癒判定はRPR法の定量値を見て判断します。通常梅毒検査はRPR法とTP抗原を利用する方法で確認しますが、一度陽性になるとTP抗原を利用する検査は半永久的に陽性反応を示してしまうため、治癒判定はRPR法しか利用できません(梅毒検査方法)。

治療期間は一般的に第1期梅毒では2~4週間、第2期梅毒では4~8週間、第3期以降の梅毒では 8〜12週間とされております。

梅毒の治癒判定の難しさ

RPR法による梅毒の陰性値は倍数希釈法では1倍以下、自動化法では 1.0R.U.未満です。日本性感染症学会のガイドラインによると、梅毒の治癒判定はRPR法定量値が「倍数希釈法では8倍以下、自動化法では16R.U.未満に低下すること」とされています。また、米国の政府機関である疾病予防管理センターCDC (Centers for Disease Control and Prevention)のガイドラインでは「治療開始時の数値より25%以下(4分の1以下)に低下すること」とされております。もちろんその後も値の上昇がないというのも必須条件です。

さて、これが実際の治療現場ではどのように判断されるかというと、治療開始時の数値にもよって対応が変わってきます。

パターン1:治療開始時のRPR定量値が高い場合
例えば、治療開始時の定量値が128倍の場合、4分の1の32倍まで下がったところで治療が終了かというと微妙なところです。8倍以下まで下がるように治療を続ける場合が多いと思いますが、一定まで値が下がるとなかなかその先値が落ちにくくなることもあるため、例えば32倍で値がほぼ固定化されたのであれば長い薬の服用を避ける意味合いもあり治癒判定を下しているケースがあります。

パターン2:治療開始時のRPR定量値が低い場合
例えば、治療開始時の定量値が16倍だった場合、治療開始後に定量値が8倍まで下がったとしても、4分の1まで下がっていないため、もう少し治療を続ける場合があります。ただし、治療開始時の値が低い場合、下がり方が緩やかなケースは多く、なかなか4分の1まで下がらないことがあります。その場合、例えば8倍で値がほぼ固定化されたと判断した段階で服薬を治癒判定を下しているケースがあります。

理想を言えば、1倍未満で陰性化、もしくは8倍以下+治療前の4分の1が望ましいのですが、なかなかぴったりその状況に当てはまらないことも多く、結果的には一般的に言われている治療期間よりも長めに服用しているケースが多いようです。医師側としても確実に治癒したと言えない時は投薬した方が無難なので、上記のような判断になるのは仕方がないことだと思います。

よって梅毒の治癒判定は容易ではないため、必ずかかりつけの医師の指示に従いましょう。